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Days with melodies


本とピアノと毎日のこと。クラシック音楽とイギリスのこと。"Life is like a piano... what you get out of it depends on how you play it.”
by sanjyo-kappa

クラシックでわかる世界史



ですよ。

大学院が始まってから、明らかに読書スピードが落ちてます…。
まあ、論文を読んでいるせいなのですが。速読とか、真剣に覚えようかな。

今まで読んだ本を、タイトルなどでは覚えておらず、「あのとき、あの頃に読んだ本」などと認識しているため、本棚をひっくり返す羽目になったことが数回あったので、2年ほど前から、読了した本をすべてメモしています。そんでもって、今年からはエクセルで管理することにしました。あ。あれ?気持ち悪いですか?汗

今年に入って最初に読み終わった本、実は去年から読んでました……。東京藝術大学卒業で、現在は桐朋学園の理事の西原稔さん著書。

音楽をやってないひとにとっては、面白い本になりえるんでしょうか。ちょっとその辺、疑問が残りますが、興味深い本であったことは確かですけどね。最後の方で、著者が触れているように、マイナーな出来事に積極的に目を向け、尚かつ本としては短い内容なので、話題の偏りが見受けられますが、役に立つことは立つんじゃないかと。

印象的だったのは、当時ロシアの支配下におかれていたポーランドが、ロシアからの独立を目指して行った革命が失敗に終わったことを知ったショパンの日記。


町の郊外地区は壊され―焼き払われた―ヤン!ーヴィルシはきっと保塁の上で戦死したんだ―捕虜になったマルツェルが見える―ソヴィンスキ、あの前任が悪党の手中に!―おお神よ、いたか!―いるが復讐はしないのか!―これでもまだロシア人の犯罪に飽き足りないというのか……。




この箇所を読んでいたとき、ちょうどお昼ご飯だったのですけれど(食べながらの読書はいけないと知りつつ、貴重な読書時間を失いたくない・・・)、思わず、号泣。特別、ショパンに思い入れがあるわけでも、ショパンマニアなわけでもないし、ポーランド贔屓なわけでもないですが、この文章……。胸がぎゅ~ってされませんか?

ついこの間、お友達から、「作曲者が作った瞬間の曲の輝き」という言葉を聞いたばかりで、これがいわゆるそれなのかも、とか思ったり。いつどこから創られたものなのかは分かりませんが、私が物心ついたときから、「音楽やってるひと=享楽的で、世間から少しずれた超!文化系芸術家」ってイメージが先行している気がするのですが、この本を読む限りではそうでもないですしね。どちらかというと、もっと強かで、政治的で、社会における自分の力を客観的に利用としている感じに見受けられます。「芸術家」が「世間からずれたひと」として生活していけるのは、もしかしたら、今の世の中が物質的に豊かになったことの証明なのかもしれませんけど。でも、あまりに世間ずれしてしまって、まるで仙人のような扱いを受けるのも、どうなの?と思います。

話は戻って、ショパンの日記を垣間見たあとで、ちょうどその時期に作曲されたこれを聴くと、また違った聴き方が出来るかも。


by sanjyo-kappa | 2009-01-13 08:54 | book review
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