本とピアノと毎日のこと。クラシック音楽とイギリスのこと。"Life is like a piano... what you get out of it depends on how you play it.”
by sanjyo-kappa
page turning。つまり、譜めくりのことです。
ピアニストというのは、ソロの場合は、殆ど全ての場合において音楽を暗記(暗譜)するのですが、ソロ以外だと楽譜を見ながら演奏することになるんですね。と、いうのも、伴奏だったり、室内楽だったりすると、ピアニストの役割は、ただピアノを弾くことだけでなくて、その演奏そのものをオーガナイズする役目があるからなんです。
例えば、室内楽の場合。ピアノトリオ(大抵は、ピアノ、ヴァイオリン、チェロの構成です)の場合、ヴァイオリンとチェロの楽譜には、ヴァイオリンとチェロのパートしか書いてありません。でも、ピアノの楽譜には、すべて書かれているんですね~。ということは、何らかのミスで、ヴァイオリンが小節をひとつ飛ばしてしまったとしましょう。チェロには、何が何だか分からないわけです。ヴァイオリンが飛んでしまった先に素早く駆けつけ、尚かつ、チェロに今どこに居るのかを知らせる役目が、ピアノに回ってくるのです。ひとによっては、室内楽のピアノのことを「traffic warden(交通監視員)」と呼ぶこともあるくらい。
そして、ピアノの楽譜というのは、大抵がヴァイオリンやチェロよりも長く、尚かつ、もちろん両手が塞がっている状態が多いので、ページをめくる回数が桁違いに多いです。ピアノのパートでは15ページほどのものが、ヴァイオリンだと3~4ページというのは、よくあることです。リハーサルや練習中には、ゆっくりページをめくっても、そのせいで少しくらい音が抜けたりしても大したことではないのですが、演奏の場合はそうはいきません。
と、いうわけで、譜めくりの登場です。この譜めくりという仕事、ものすごく地味なのですが、多大な責任とプレッシャーがあります(苦笑)。ピアニストの左側(ステージの一番奥の方)にちょこんと座って、ひとたび演奏が始まれば、立ったり座ったりしているのが譜めくりという役職です。音楽をただ聴いていれば良いわけではなくて、楽譜によって、その演奏者によって、「最後の小節よりも少し前くらいでめくって欲しい」とか、「次のページが難しいから、早い目にめくって欲しい」とか、はたまた「この最後の和音が難しいから、ぎりぎりまでめくらないで、一気にめくって欲しい」とか、色々注文がつきます。クラシック音楽界の黒子です。
前置きが非常に長くなりましたが、今日は、大学のピアノ科主任のコンサートの譜めくりでした。日曜日の朝だというのに。今住んでいるところから近かったはずなのですが(そして実際、近かったのですが)、バス停までのほんの数分の距離のあいだで迷い。顔面蒼白になりながら、コンサートホールに向かいました。
Blackheath Hallというところでの、ちょっと早い目のランチタイムコンサート。
建てられたときのものっぽいもの。
そして、現在のもの。
あんまり変わりませんwさすが、イギリス。
プログラムは、
ハイドン:ピアノトリオ第二五番 ホ短調Hob.XV:12
ベートーヴェン:ピアノトリオ ハ短調 作品1の3
アレンスキー:ピアノトリオ第一番 ニ短調 作品32
でした。長かった・・・。11時始まりで、20分間のインターバルを挟んで、終わったのが12.45でした・・・。インターバルで既にくったくたになっているところで、主任と少しお話を。「木曜日に何があったかって、教えたかしら?」と言われたので、素直に「いいえ」と答えると。なんと、木曜日の夜、バスから降りる際に倒れたらしいのです!それも、目眩などの症状もまったくなく、ただ、ばたんと倒れてしまったらしい。急遽、救急車で病院に運ばれたところ、血糖値と血圧が異常に低かったとのこと。そのまま一泊して欲しいと言うお医者さんに対して、「明日はコンサートがあるから」と、無理矢理退院してきたらしいです。すごい・・・。演奏を聴く限りでは、まったくそんな気配が感じられなかったので、本当にびっくりしました。
ちゃんと頑張っているひとは、滅多に弱音を吐かないんでしょうね。
反省しました。
未だに、このブログでの書き方が定まりません・・・。難しいな・・・。
ピアニストというのは、ソロの場合は、殆ど全ての場合において音楽を暗記(暗譜)するのですが、ソロ以外だと楽譜を見ながら演奏することになるんですね。と、いうのも、伴奏だったり、室内楽だったりすると、ピアニストの役割は、ただピアノを弾くことだけでなくて、その演奏そのものをオーガナイズする役目があるからなんです。
例えば、室内楽の場合。ピアノトリオ(大抵は、ピアノ、ヴァイオリン、チェロの構成です)の場合、ヴァイオリンとチェロの楽譜には、ヴァイオリンとチェロのパートしか書いてありません。でも、ピアノの楽譜には、すべて書かれているんですね~。ということは、何らかのミスで、ヴァイオリンが小節をひとつ飛ばしてしまったとしましょう。チェロには、何が何だか分からないわけです。ヴァイオリンが飛んでしまった先に素早く駆けつけ、尚かつ、チェロに今どこに居るのかを知らせる役目が、ピアノに回ってくるのです。ひとによっては、室内楽のピアノのことを「traffic warden(交通監視員)」と呼ぶこともあるくらい。
そして、ピアノの楽譜というのは、大抵がヴァイオリンやチェロよりも長く、尚かつ、もちろん両手が塞がっている状態が多いので、ページをめくる回数が桁違いに多いです。ピアノのパートでは15ページほどのものが、ヴァイオリンだと3~4ページというのは、よくあることです。リハーサルや練習中には、ゆっくりページをめくっても、そのせいで少しくらい音が抜けたりしても大したことではないのですが、演奏の場合はそうはいきません。
と、いうわけで、譜めくりの登場です。この譜めくりという仕事、ものすごく地味なのですが、多大な責任とプレッシャーがあります(苦笑)。ピアニストの左側(ステージの一番奥の方)にちょこんと座って、ひとたび演奏が始まれば、立ったり座ったりしているのが譜めくりという役職です。音楽をただ聴いていれば良いわけではなくて、楽譜によって、その演奏者によって、「最後の小節よりも少し前くらいでめくって欲しい」とか、「次のページが難しいから、早い目にめくって欲しい」とか、はたまた「この最後の和音が難しいから、ぎりぎりまでめくらないで、一気にめくって欲しい」とか、色々注文がつきます。クラシック音楽界の黒子です。
前置きが非常に長くなりましたが、今日は、大学のピアノ科主任のコンサートの譜めくりでした。日曜日の朝だというのに。今住んでいるところから近かったはずなのですが(そして実際、近かったのですが)、バス停までのほんの数分の距離のあいだで迷い。顔面蒼白になりながら、コンサートホールに向かいました。
Blackheath Hallというところでの、ちょっと早い目のランチタイムコンサート。
建てられたときのものっぽいもの。
そして、現在のもの。
あんまり変わりませんwさすが、イギリス。
プログラムは、
ハイドン:ピアノトリオ第二五番 ホ短調Hob.XV:12
ベートーヴェン:ピアノトリオ ハ短調 作品1の3
アレンスキー:ピアノトリオ第一番 ニ短調 作品32
でした。長かった・・・。11時始まりで、20分間のインターバルを挟んで、終わったのが12.45でした・・・。インターバルで既にくったくたになっているところで、主任と少しお話を。「木曜日に何があったかって、教えたかしら?」と言われたので、素直に「いいえ」と答えると。なんと、木曜日の夜、バスから降りる際に倒れたらしいのです!それも、目眩などの症状もまったくなく、ただ、ばたんと倒れてしまったらしい。急遽、救急車で病院に運ばれたところ、血糖値と血圧が異常に低かったとのこと。そのまま一泊して欲しいと言うお医者さんに対して、「明日はコンサートがあるから」と、無理矢理退院してきたらしいです。すごい・・・。演奏を聴く限りでは、まったくそんな気配が感じられなかったので、本当にびっくりしました。
ちゃんと頑張っているひとは、滅多に弱音を吐かないんでしょうね。
反省しました。
未だに、このブログでの書き方が定まりません・・・。難しいな・・・。
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by sanjyo-kappa
| 2008-10-27 07:33
| piano
はじめまして。days with melodies にようこそです。
ブログのタイトルを決めるのが、こんなに難しいことだとは知りませんでした。
すでに、何だか恥ずかしくなってきています。汗。
クラシック音楽を大学院で専攻しています。
趣味で、小説を書いていたりもします。
そのどちらもが、私にとってはかけがえのないものですので、
このブログでは、そのふたつをメインに、
日々のことを綴っていけたりしたら良いなあと思っています。
自己紹介をば。
リアルの名前は、こちらでは伏せておきましょう。
まあ、いつ何時ばれるかは分かりませんが、今のところは。
三条司、というのは、もちろんPNです。
京都出身だということと、亡くなった祖父母から一字ずつを借りました。
こちらで小説をつらつらと書いています。
4歳からピアノを初めて、もう20年以上が経ちました。
その間、二度ほど、真剣にピアノを諦めようとしましたが、
未だに弾いているということは、きっと好きなんでしょう、結局。
ああ、何だか緊張します・・・。
堅苦しくやっていこうなどとは、夢にも思っていませんので、
どうかごゆるりと。
ブログのタイトルを決めるのが、こんなに難しいことだとは知りませんでした。
すでに、何だか恥ずかしくなってきています。汗。
クラシック音楽を大学院で専攻しています。
趣味で、小説を書いていたりもします。
そのどちらもが、私にとってはかけがえのないものですので、
このブログでは、そのふたつをメインに、
日々のことを綴っていけたりしたら良いなあと思っています。
自己紹介をば。
リアルの名前は、こちらでは伏せておきましょう。
まあ、いつ何時ばれるかは分かりませんが、今のところは。
三条司、というのは、もちろんPNです。
京都出身だということと、亡くなった祖父母から一字ずつを借りました。
こちらで小説をつらつらと書いています。
4歳からピアノを初めて、もう20年以上が経ちました。
その間、二度ほど、真剣にピアノを諦めようとしましたが、
未だに弾いているということは、きっと好きなんでしょう、結局。
ああ、何だか緊張します・・・。
堅苦しくやっていこうなどとは、夢にも思っていませんので、
どうかごゆるりと。
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by sanjyo-kappa
| 2008-10-26 04:27
| how do you do?
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